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  • 2008.01.14 Monday
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インド旅行記2006夏 3.まだまだコーチン(南部)

 明くる朝は、九時に目覚めた。昨日と同じように、外の騒々しさで目が覚めた感じである。前日のカレーが胃に残っているので、朝食は省くことにして、シャワーを浴びて、干していた洗濯物を畳んでから街へ出る。目指すは、街の北のほうにあるバススタンドである。今夜発のマイソール行きバスの切符を手に入れるつもりだ。

 今日も暑い。たちまち帽子が汗でグショグショになる。Tシャツも濡れる。大通りはエンジンの爆音とクラクションと人々の声で賑やかだ。しかし、大通りを一歩出ると、急に静かになる。やがて、バスターミナルが見えてきた。

 バスターミナルの前にはオートリクシャーが沢山人待ちをしていた。ワーラーが声をかけてくる。ターミナルの建物はコンクリートの無機質なものであったが、色だけはケバケバしい水色に塗りたぐられている。中には、売店や食堂などが一通り揃っているようであった。建物内は日差しも遮られていて、風通しがよく涼しいので、明らかに旅行客とは関係の無さそうな人々もたむろしている。

 マイソール行きのバスチケットが欲しいが、どこに売っているのかわからない。チケット売り場が一箇所にまとまっておらず、あちらこちらに散らばっている。ひとつひとつ売り場を覗いて何行きかを確かめながら歩くが、どこも英語の表記が少なく、地元のタミル語の表記ばかりで何行きの切符を売っているのかすら判断しかねる。

 15分ほどうろうろして、ようやく一つの窓口のガラスに貼り付けられた紙の中の、「for BANGAROLE」の経由地(via)に「MYSORE」の文字を見つけ、列に並ぶ。というか、列になっていない。みんなが窓口に押し寄せている、という表現のほうが正しい。しかし、こんな並び方でも一応ルールはあるらしく、窓口氏はきちんとその群集に来た人順に手続きを進めている。窓口に新しい人が群がるたびに、順番など関係なしに窓口氏に話しかけるが、窓口氏は辛抱強く「まぁ、順番を待て」というジェスチャーをする。だから、ちゃんと自分の番も順番どおりに来て、マイソール行きのチケットは問題なく手に入った。今夜の九時十五分発の夜行バス。240ルピー(600円程度)どんなバスが来るのかはわからないが、12時間はバスに乗っているはずだから非常に安いチケットではある。

 客待ちしているリクシャーワーラーを追っ払いながら、30分ほどゆっくりと歩いて昨日のショッピングセンターに行く。昨日と同じバリスタに入る。アイスコーヒーを飲みながら、さて今日は何をしようと思案する。が、昨日と違って、どういうわけか蚊が多い。ハエも飛んでいる。そのうえ、20分も休んでいると中学生だか高校生だかわからない制服姿の一団が入ってくる。昼間からバリスタに来るような生徒達だから、お金持ちの御曹司かもしれない。彼らは賑やかで、店の中で遠慮なく騒ぐ。店内の音楽を調整する機械をいじったりする。ヒンディー語だかタミル語だかわからないポップミュージックが爆音になる。たまらないので、バリスタの横のフードコートに逃げた。

 フードコートでペットボトルのペプシを買う。店の青年は何故か目の前の冷蔵庫からではなく、ちょっと離れた倉庫のようなところからぬるいペプシをわざわざ出した。500ml+100ml増量で22ルピー(55円)。日本より安いが、現地の一般の階層の飲み物ではないはずだ。ペプシやコカと言えば、一ヶ月ほど前に殺虫剤成分が通常の何十倍も含まれていたとかで、インドでは不買運動が起こっていると、日本でも報じられていた。しかし、ミネラルウォーターだけでは限界がある。疲れたときは甘いものの方がいいし、炭酸飲料は元来好きなので、気にせずに飲むことにする。今さら気にしても、五年前の三年間のインド滞在の間に、充分な量のコカコーラやペプシコーラを飲んでいるので意味が無い。

 バリスタは現地のポップが流れていたが、こちらのフードコートでは洋楽が流れる。耳を凝らすと流れていたのはボンジョヴィのYOU GIVE LOVE A BAD NAMEだったりする。「なんでインドで洋楽なんだ・・・」という感想を持ちかけて、それが日本のマクドナルドで「どうして日本で邦楽を流さないんだ」という感想を持つことと同じであることに気が付いた。どうもインドで気持ちが高ぶっているせいか、条理に会わない感想を持ちやすくなっている。正さねば、と思う。

 結局その日は、海を眺めたり、コーチンの街をうろついたりしただけで終わったので、それ以降の詳細は省く。

 夜行バスに備えてホテルで2時間ばかり眠ったあと、昨日のネットカフェに向かう。ブログで報告をしたりしたあと、昨日のImperialレストランに行く。昨日仲良くなった店員の「また明日な!」が心から離れなかった。件の店員は僕の顔を見ると、「よく来た」という顔をした。インドの店では、席に案内されるという習慣が無いようで、自分で空席を見つけなければならない。最初、それに馴染めずに店員の顔色を伺いながらウロウロしていると、「何をしている、早く座れ」という仕草をされた。

 昨日の席に近い場所に陣取る。昨日はチキンカレーとチャパティを食べたので、今日はそれに大好物のダルカレー(豆カレー)を注文する。ライムソーダも忘れずに注文する。ほどなく料理が注文されたとおり来て、昨日と同じようにチャパティ(パン)につけておいしく頬張る。

 と、件の店員が僕の席の正面の席に座る。そして「コインが欲しい」と突然切り出した。「コイン?」。コインが欲しいとはどういうことか?それだけでは意味がわからないので首をかしげていると、僕の理解の域を越える勢いで英語を話し出した。「???」。さっぱり事情が飲み込めない。チップを欲しているのだろうか?インドではチップの習慣は原則的に無いが、観光地ではチップの習慣が染み付いているところもある。二晩、いいサービスをしてきたのだからチップをよこせということか?ちょっとぶっきら棒な言い方だが、まぁおいしい料理を二晩も出してくれたのだし、考えてみればインドに来てはじめてたくさんの物事を話した人ではある。いろいろと話も訊いたし、チップくらい渡してもいいか、とも思う。

 食後、勘定を済ませて、おつりの5ルピーのコインと1ルピーのコインをテーブルに置いて店を出ようとすると、件の店員が「ちょっと待て」という仕草をする。「コインって、そういう意味じゃないんだ。」と彼は言った。そして、仕切りに「ユーロとかは無いのか?」と訊く。そこでようやく「コイン」の意味がわかった。要するに外国のコインが欲しいのである。とんでもない誤解をするところであった。そこで、ポケットに入れてある日本円の入っているほうの財布から100円玉と10円玉と5円玉を取り出して渡した。彼は穴の開いている五円玉を珍しそうに眺めると、笑顔で「ありがとう。また来てくれ」と言った。

 ホテルに戻り、重たいバックパックを背おって、フロントへ降りる。チェックアウトを済ませ、夜の街へ再び出た。午前中のバスターミナルへ向かうのだが、今度は歩きではなくて、ホテルを出るなり目が合ったオートリクシャーの親父に料金交渉をして乗り込んだ。ほとんど問題なく交渉が成立してしまったところを見ると、僕は正規の料金より高めにハードルを設定してしまったらしい。まぁ、いい。オートリクシャーは、混雑する道路を、隙間を見つけては通り抜けるので一般の自動車よりかなり速い。10分もかからずに今朝来たバスターミナルに到着した。

 バスターミナルは、バスを待つ人でいっぱいだった。街灯が少ないので、チケット売り場以外は暗闇である。バスが暗闇の中、明るいライトを照らしてひっきりなしに到着、出発を繰り返す。エアコンの付いているような上等なバスは無くて、窓枠だけで窓の無いバスまである。バスが到着するたびに、乗り切れるのかわからないくらいの人々が群がる。行き先の表示は、現地のタミル語表記だけだ。あまり外国人観光客向けの乗り物では無いようだ。

 自分が乗る予定のバスは、マイソールを経由するバンガロール行きのバスである。タミル語表記しか無いので、乗り場はどこだろうとキョロキョロしたり、人に聞いたりするがわからない。英語を解さない人もいた。

 しかし、バンガロール行きのバスが来たとき、すぐにわかった。というのも、バンガロール行きのバスだけは何故か英語も併記されていたからである。おそらく、コチン→バンガロールのような大都市を結ぶ便は、外国人の利用も少なからずあるのだろう。バスに群がる人を見回してみると、二人づつ白人の女性が二組いた。ただ、外国人はそれだけで、あとは東洋人が一人(自分)とインド人だけだ。バスは、窓は辛うじて付いている、日本で言えばボロバスだった。

 ビニールレザーの安い座席で、二人席と通路を挟んで3人席という詰め込み式であった。リクライニングなどは当然付いていない。このボロバスで12時間を過ごすのかと思うと、少しだけ興奮する。指定されている二人席の窓側に座る。大量の荷物を担いだ人々が次々と乗り込む。僕の前には、例の白人二組のうちの一組が座った。彼女達が喋っているのは英語ではなかった。座席は全て埋まって、立ち客も出始めた。車掌が乗り込んで、一人ひとりのチケットを確認する。そして、車内に備え付けられたベルを「チン」と鳴らすと、エンジンがかかり、バスはコチンのバスターミナルを後にした。定刻より10分遅れの21:10であった。

 ほどなくバスは大通りに出る。周りの車とぶつかりそうになりながら、猛烈なエンジン音を響かせて走る。車体はボロだが、エンジンはタフらしい。耳がおかしくなりそうだ。街中なので、交通量も多い。運転は荒く、急ブレーキを踏んだりする。その度に立ち客が倒れそうになる。彼らは夜、どうやって眠るのだろう。開け放った窓からは排気ガスが入り込む。たまらないが、閉めてしまうと暑い。

 改めてバスの中からコチンの街並みを眺める。わずか2日間の滞在だったが、既に様々な経験をした。レストランの店員のことを思う。後味の悪い最後になってしまったことだけが悔やまれる。川を渡る。雨季なので水量が多い。そして、キリスト教会が多い。インドはヒンズー教やムスリムだけでなく、キリスト教徒もそれなりにいるのだ。派手に電飾を施された教会も多い。目を凝らすと、教会の中にはこれまた電飾を施された聖母マリア像が見えたりする。と、また急ブレーキがかかる。隣を併走する車と接触しそうだ。そこを人が横断し、リクシャーがすり抜ける。二車線の道路が四車線くらいになっている。「母なるマリア様。どうか無事にマイソールまで辿り着けるよう、見守っていてください。」教会の中にマリア像が見える度、僕は祈った。

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